毒舌男子と住みましょう?



「……この近くに、桃凛高校という学校はありますか?」


桃凛高校なら知っている。

なにせ私の通っている学校だ。知らないほうがおかしい。


「ええ、すぐ近くにありますね」

「場所を教えて頂けますか?」

「えーっと……このスーパーを出て右に進んで、国道に出たら左に真っ直ぐ行けば、すぐに着きますよ」

「そうですか、ありがとうございました」



青年はペコリとお辞儀をすると、逃げるように去っていった。


あらら。怒らせちゃったかな?

いや、あの態度から察するに、元々女性嫌いなのだろう。


顔をじっと見られてうんざりしたような表情を浮かべていたし。


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