毒舌男子と住みましょう?



軽くため息をつくと、霧島くんが不思議そうな顔で私の顔を覗き込んだ。


なんでもないですよ? 気にしないで下さい?





明日からは、いよいよ新学年が始まる。


霧島くんが、いつまでうちに居候するのかは分からないけれど、新しい物件が見つかるまでの間、と言っていたから、そんなに長くはいないだろう。


そして、おそらく彼がうちを出たなら、もう私との接点は完全になくなるはずだ。


それまで、ずっと彼に嫌われたまま、というのは、ちょっときつい。


同じ学校に通うことで話のタネも増えると思うし、出来れば、うちにいる間に、もう少し仲良くなりたいなぁ、なんて。



そんなことを考えながら、私は散りゆく桜の下を歩くのだった。



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