フラワーガーデンへようこそ〜優しい愛をあなたに〜
車を走らせる事数十分。かすみの家に着いた。

「…ありがとうございました。助かりました」
「…いえいえ、それより、明日は仕事、大丈夫ですかね?」

足を見ながら薫が言う。

「…大丈夫だと思います。一晩経てば、幾らかマシになってるでしょうし」

そう言ってかすみは、苦笑した。

「それじゃあ…あ」
「…え?」

薫は、かすみの向こうを見て、声をあげた。かすみは焦点の合わない薫にキョトンとする。

「…あの?」
「…本当に花が一杯あるんですね。それに、ハナミズキの木が植えられてる」

流石は花屋。まだ咲いていない木を見ても、なんの木がわかってしまったようだ。

「そうなんです。花の手入れって楽しいけど、大変ですよね。時々、どうしたらいいか、分からない時もあって」

「そうなんですか?そんな時は…あ、ここに電話して下さい。俺の携帯なんですけど。大体はわかると思いますから」

そう言うと、メモ帳に自分の携帯番号を走り書きして、かすみに手渡した。

「…いいんですか?」
「もちろんですよ。いつでもどうぞ」

そう言って、薫は微笑んだ。すると、かすみも微笑み頷いた。

「その時はよろしくお願いします」
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