フラワーガーデンへようこそ〜優しい愛をあなたに〜
…結局、家まで送ってもらったかすみ。…送ってもらった事で、つい、気が緩んでしまい、足の痛みが増した。

車を降り、地面に足をつけただけで、靴が擦れ顔が歪む。だが、それを悠人に気づかれないように微笑み礼を言う。

「ありがとうございました。それじゃあ、また、明日」

「遠藤…危ない!」

「「…」」

よろけたかすみを、悠人は駆け寄り抱きしめるように支えた。そしてかすみを助けられた事に安堵した悠人は溜息をつく。

「すみません」

そう言いながら、悠人から離れようとしたが、悠人はかすみを離すどころか、抱きしめる腕に力をこめた。

「…チーフ、あの」

真っ赤な顔で、しどろもどろになり、慌てる。

「…好きだ」
「…ぇ」

が、突然の告白に、固まる。頭上から、悠人の溜息が聞こえ、上目遣いに悠人を見た。

「…まだ、言うつもりはなかったんだけどな…どうしても、遠藤が放っておけない。見た目は大人しいのに、一度思い詰めると突っ走るし、何でも我慢するし…そのくせ、自信を突然なくすし…気がついたら、遠藤を守ってやりたくなって…」

「…チーフ「…かすみさん?」

かすみの声と誰かの声が重なった。

かすみは驚き、悠人から離れようとしたが、やっぱり悠人は放さない…

困惑顔で、顔だけを声の方へ向けて、目を見開いた。

「…西園さん」

…そこには、花の鉢を持った薫が立っていた。
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