フラワーガーデンへようこそ〜優しい愛をあなたに〜
「…本当に?」
「…⁈」

突然顔を覗き込まれて、かすみの体は硬直した。

…さっき、悠人に抱きしめられた時もそうだった。

かすみには、男に対しての免疫力が皆無だ。告白されて付き合った男がいたが、手すら繋いだ事がなかった。男性恐怖症ではないはずだが、近づかれるだけで固まってしまう。

悠人に抱きしめられた時も、固まって動けなくなった。

そして今も…?

いや、薫の前だと少し違った。覗き込まれて固まりはしたが、薫に微笑まれたら、体の緊張が解けた。

「…本当です」

かすみは薫を見つめて言った。

すると、薫は安堵したような顔をした。

「…込み入った事を聞いてすみません」
「…西園さんは、謝ってばかりですね」

「…そうですかね?」

かすみの言葉に、薫は小首を傾げた。その行動がなんだか可愛く見えて、クスッと笑った。

「…それじゃあ、私はこれで」
「あのっ!」

思わず、そう言って、薫の服の裾を掴んでしまったかすみは、自分の行動に驚く。
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