フラワーガーデンへようこそ〜優しい愛をあなたに〜
かすみの行動に、薫もまた驚いて、振り返る。

「…どうしました?」
「あ、え、いや…何でもないです。ごめんなさい」

そう言って、かすみは慌てて服の裾から手を離した。

「…気をつけて…帰ってくださいね」

そう言って苦笑した。

「…はい。…今度会えるのは、結婚式の打ち合わせの時ですね」
「…そうですね」

「それじゃあ、あの子の事よろしくお願いします」
「…あの子?」

あの子?と、かすみはなんの事かと首をひねる。薫はクスッと笑って。

「…キンセンカ」
「…あ」

薫の言葉に、合点がいき、アッと声を出しクスクスと笑った。

「…大事に育てますね」

2人の時間は、穏やかに流れていく。まるで、ずっと前からの知り合いだったかのように当たり前に。

でも、かすみも薫も自然過ぎて気にも留めない。


しいて思うなら、また、2人で同じ時間を過ごしたいという事。

薫はまだ一緒に居たいと思いながら、その場を後にした。
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