フラワーガーデンへようこそ〜優しい愛をあなたに〜
「…羨ましいな」
「…え?」

岳の言葉にかすみは首を傾げる。そんなかすみを見て、岳は困ったような笑みを浮かべた。

「…遠藤さんを彼女に出来る、その彼が」
「…え、いや…そんな事は…専務も、とても素敵な方じゃありませんか。専務にお似合いの彼女さんくらい、いるんじゃないですか?」

かすみは思ったまま口にした。だって、専務は女子社員の憧れの的だ。きっと、言い寄ってくる女も星の数ほどいそうだと思ったから。

「…それは、遠藤さんの思い込みだよ、
彼女なんていないし、俺はそんなに素敵な奴じゃない」

「…」

専務の言葉にかすみは困惑顔をする。

「…こんな仕事して、専務なんて役職についてると、彼女なんて出来ないよ。近づいてくる女は、中身のないのばっかり…俺のお金が目当てなだけ」

「…そんな悲しい事言わないでください。私から見た専務はカッコいいし、仕事は出来るし、優しいし…専務を分かってくれる女性が、現れますよ」

「…うん、そうだな。現れたよ、今」
「…へ?」

専務の言葉にキョトンとすると、専務はクスクスと笑い、

「…遠藤さんはやっぱり可愛い人だ」
「…///」

「…かすみさん!」
「…薫」

かすみを見つけた薫は、直ぐに駆け寄り、かすみを自分の方に引き寄せた。

「…失礼します」

岳に、優しい笑みを浮かべ、薫はかすみを連れ去った。
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