フラワーガーデンへようこそ〜優しい愛をあなたに〜
「…あの、薫?」
「…」

薫の顔を見たかすみは、驚く。…なぜ、そんなに怒った顔をしているのか?

車の中、薫は一言も話さなくて、どうしらいいのか分からず、かすみも黙り込んだ。

…着いた所は…薫の家だった。

「…薫、怒ってる?」

恐る恐る訪ねると、その顔のまま、かすみを見た。

「…怒ってる、凄く」
「…ぇと、私、なんか、怒らすようなことしましたか?」

「…他の男に、無防備過ぎてる」
「…へ?そ、そうかな?」

考え込んでしまったかすみを、薫はぎゅっと抱きしめた。

「あの男には近寄らないって約束して」
「な、なんで?…あの人、うちの専務だし、近寄らないって言うのは、無理です」

「…じゃ、アイツに笑わないで、優しくしないで」
「…ぇと、あの、どうしたんですか?」

「…アイツ、かすみさんに気があるから」

薫の言葉に、目を見開いた。

「ま、まさか!そんな訳ないですよ!私なんかに、気があるなんて」

…チュッ。と、リップ音を鳴らしてキスした薫は、テンパるかすみを大人しくさせた。

「分かってないなぁ…自分の魅力に」
「…」

「…かすみさんは、魅力的で、素敵で、非の打ち所がない」
「…そんな、私をかいかぶりすぎ」

ブンブンと首を振るかすみの顔を両手で、押さえると、今度は少し長く、口付けた。

「…俺を夢中にさせたかすみさんは、魅力に富んでます」

「…薫」

「…ほら、そうやって、俺を誘惑する」
「…かお…ん…」
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