バウンス・ベイビー!


「あら!あらあらあら~本当だわもうこんな時間じゃない。早いわねえ!」

「リーダー、私も帰ります~。明日また弁当作りで5時起きだし」

 ちょっと気が抜けたような顔をして座敷を見回したリーダーが、よし、と膝を叩いた。

「じゃあもうお開きにしましょうか。俺も帰って寝ないと明日自信がないし。田内、がっつり食ったかー?」

「はい!美味しかったです!」

「平野も、満足したか?」

「はい」

 うん、と一人で頷いて、北浦さんが店員さんに会計を頼む。結局全員で帰宅となったので、わらわらとコートを着たりトイレに行ったりで動き出した。

 高峰リーダーすごく普通だけど・・・いやいや、だから、私も普通にしてればいいんだよね。そうだ、普通だ!・・・だけど普通ってどうなんだっけ!?

 折角あれだけ飲んだのに、さっきの衝撃で酔いもさめつつある。私はパートさん達と並んでリーダーに頭を下げた。

「ご馳走様です!」

「はいはーい。ちゃんと本社に請求するからな~。皆さん明日からも宜しく」

 まだフラフラのリーダーがそう言って、解散となった。店の前から駅前まで移動して、そこでパートさん、田内さんと別れる。成り行き上平野と二人になってしまったのは痛いけれど、早く帰りたいしこの寒い中ホームで電車を一本遅らせるのは嫌だった。

 むすっとしたままで仕方なく一緒に改札を通り、それでも何とか距離をあけながらホームに上がる。だけどそれに気がついた平野がスタスタとこっちへ寄ってきてしまった。

「ちょっと、何でこっちに来るのよ!」

 ぶすっとしたままの私がそう噛み付くと、平野は面白そうな顔をした。


< 113 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop