バウンス・ベイビー!


 ん?明後日・・・?私は頭の中でカレンダーをめくって、怪訝に思いながら口を開く。

「明後日って・・・クリスマスイブじゃないの?当然といったら悲しいけど私は暇で、仕事のあとなら空いてるけど、仁美、彼氏とご飯とかは?」

 イベントごとが大好きなこの子が、それも彼氏がいる子が、どうして暇人を誘うのだ。そう思って聞いてみると、ぶっすーとした声に変わった仁美が答えた。

『それがあいつ出張なのよ。イブに出張なのはむかつくけど、今の仕事の流れ見てたら断れるものじゃないってことは判ってるの。それで急だけど、思いついたのよ。たまにはガールズで飲みにいきたいなあって』

「ははあ!」

『何よははあ!って。行ける、千明?』

 私はにっこりと微笑む。これは、嬉しい誘いだ!今現在一人で煮詰まっている私には、何か全然違うことの気晴らしが必要!だから勿論と二つ返事で頷いた。

 良かった、と仁美も笑う。料理が美味しくて面白い店見つけたんだよ、悠子とあーちゃんも誘ってみるから、皆で行こうよ!そんなことを言って、仁美はまた連絡すると電話を切った。電車のホームへと上がった私は久しぶりに楽しい気分。そうだ、忘れていたけれど、困った時ほど女友達じゃない!そう思って気分が良かった。

 鼻歌が零れる勢いで電車を待っていたら、後ろから急に声がした。

「機嫌よさそうだな、いいことでもあった?」

 驚いて振り返るとそこには平野が。うわあ!と私はつい叫んでしまう。

「ホームで暴れるなよ、あぶねーな」

「ななな何でここにいるの!?先帰ったはずでは!?」


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