バウンス・ベイビー!
うーん、としばらく考えてから、相沢さんは言った。
「彼の中では・・・その過去は終わった話なんだろうから・・・本人が言ったみたいに、ただ同級生と再会して、知らなかった一面なんかも見て新鮮な気分なんじゃないのかな」
「ええ!?」
私はびっくりしてつい声をあげてしまう。
「だって気まずくないんですか?別に元々付き合っていたとかじゃないし・・・何というか、ほら」
「うん、藤さんの言いたいことは判るけど。でも6年経ってるんだよね?彼にしてみたら、君は新しいバイト先で出会った社員さん、でしょう。もう流石に自分のことを好きではないだろうし、普通に接することの可能な相手」
「えー」
「まあ人によるとは思うけれどね・・・俺はちょっと気まずいかなあと思うし。でもまあ俺だったら、高校生の時にそんな断り方は出来ないと思うから。やっぱり嫌われるのは嫌だし好かれるのは嬉しいから、曖昧なままで終わらせたと思うんだ。そうしたら君は大学時代も暫くひきずったと思うよ。だから」
だから?私は首を傾げる。相沢さんは、困った微笑をした。
「彼は、優しいんじゃないかな。俺はそう思う。君が諦められるようにわざわざ悪者になったって意味では」
私は考え込んでしまった。
難しい顔をしていたらしい。相沢さんがこらこら、と声をかける。
「藤さん、眉間に皺、皺」
「あ」
「まだ若いのに、ダメだよー」