バウンス・ベイビー!
・発熱の後遺症・
木曜日、そして土曜日と、仁美や相沢さんなど数人の大人たちから意見を聞いた。どれも最初の意見は「そんな嫌がらずに普通に受け入れてみれば?なるようになる」的な意見だった。これは・・・悩むところではある。
仁美が言っていたように、きっと私は平野という同じ男の子に二度振られるのが怖いのだろうって思う。しかも一度目は盛り上がってその頂点での告白で、こっぱ微塵にされてしまったために恋愛恐怖症(とまではいかないけれども)までなってしまう始末。でも梓が言うには、その原因は平野が作ったのだから、今度は平野でそれを癒す必要があるらしい。
『付き合って、今度はあんたから振ってやりなさい』
あの時の梓は艶やかに笑いながら、悪女の顔でそんなことを言っていたっけ。
私にそれが出来るか、それはともかくとして、そんなことをする気はない。
だけど昨日の相沢さんが言うように、私は平野を無視することで職場の雰囲気を乱しているのなら、それは問題だから態度を改めよう!
そう思って出勤した27日。
おはよ、と平野が声をかけてきたとき、私はくるりとヤツを振り向いて、ちゃんと言った。
「お、はよー」
って。
どもってしまったし、もしかしたら顔もひきつっていたかもしれない。だけどとにかく普通に返事をした!平野はちょっと驚いた顔をしていたし、おや?という感じで田内さんが振り返ったのも視界の隅に入っていた。私は気にしないように最大限の努力をして、エプロンをつけて帽子をひっつかみ、自分の作業台へと行く。