バウンス・ベイビー!


 あまりにも一人で心細い。

 ああ、誰かがいるところを探さなきゃ。私はそう呟いて立ち上がる。だけど足が滑って、ベンチへと尻餅をついてしまった。

 冷たさは感じない。ただ、一人であるということの寂しさだけを、ひしひしと感じていた。

 誰、か。

 口をあけているのに声は出ない。

 誰、か・・・。

 声は出ないままで、私は一人で雪の中――――――――――――


 ・・・ポーン。

 意識の狭間で、チャイムが鳴るのを聞いた気がする。


 ピンポーン。

「・・・あ」

 目を開けた。

 鳴ってるんだ、ドアのチャイムが。

 頭をゆっくり動かしてみると、どうやら朝が来ているようだった。窓から冬の弱い朝日が差し込んで、壁の時計は9時過ぎを指している。

 そう気がついたけど、体が重くて億劫で、ベッドから抜け出す気が起こらなかった。宅配便かな?だけどもう無理・・・すみませんけど、今日は居留守を使わせて貰います・・・。

 ピンポーン。

 もう一度チャイムが鳴って、それで諦めてくれたらしい。遠ざかる足音を夢うつつの中で聞いていた。

 それから私はもう一度眠りの中へと落ちていき、色々で複雑な夢をたくさんみて、次に起きた時にはもう夕方だった。


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