バウンス・ベイビー!
そして夕方の5時半、平野が帰るといって立ち上がった。ぐぐーっと伸びをして、荷物をまとめる。
「熱はぶり返してないよな?」
「大丈夫。えーっと・・・ご飯持ってきてくれてありがとね、本当助かりました」
私がそう言うと、平野は少し照れた顔で頬を掻く。
「看病というよりスポーツしにきた、みたいになったけど・・・疲れさせてごめん」
いいのよそれは!口に出さなくて!ってかお願いだから口に出さないで!私がパッと両手を前につきだすと、平野は笑った。
「じゃあ、また明日な」
「うん作業場で」
変な感じだった。丸一日一緒にいたので、これから夜になるのに離れるのが違和感があった。だけど勿論そうなのだ。だって私は一人暮らしなのだから!
平野が帰ったあと、私は仁美たちから貰った日記張を開ける。そして一緒に貰った可愛いボールペンを動かして、大いに照れたり足をバタバタさせながら、初体験と書き込んだ。手を繋いだとか、一緒にご飯を食べたとか。書いている間、ふんわりと心が温かかった。
それからパソコンの電源を入れる。
小説を更新しよう。かなり久しぶりだから、一度読み直さなくちゃならないかも。
だけど。
今ならもう、あの空気が書けるから――――――――――――
新しい年がきて最初の日の夜、私は狭い部屋の中、一人で微笑んでいた。