バウンス・ベイビー!


「お前はそれでいいんだな?細かいことは知らねーけどどういうことであれ、あいつの彼女になるってことなんだな?」

 ・・・ええと、多分、はい。なんかそんな話にはなってましたけど。

 すぐに思ったのはそんな返事だけど、それを口にしたら今度はこの人、怒りのあまり口から火をはくかもしれない。芯が真面目な人なのだ。出刃包丁くらい投げてくるかもしれない。冗談じゃなくそう思ったので、私は体を引きつつ頷いた。

「はい」

 くそ、もう一度そう罵って、高峰リーダーは深くて重いため息をつく。それから肩も頭もゆっくりと回して体の力を抜くと、不機嫌な声で言った。

「なら仕方ねーや。うかうかしてた俺が悪い。しかし何て新年だよ、全く!」

 何ともいえなくて、私は突っ立っていた。っていうか、本当に、ほんと~うに、私に好意をもっていたってこと!?怒ってるってことはそうなの、マジで!?

「えっと・・・あの、リーダー。多分気の迷いですよ、本気で私に・・・私を気に入ってたってことはないでしょ?」

 恐る恐るそう言った私をぎろりと睨みつけて、リーダーはぎゃあぎゃあ喚く。

「何でそこから疑ってるんだよお前は!俺は馬鹿じゃねーぞ、自分の気持ちくらいわかるっつーの!」

「いやいや、お、落ち着きましょう、リーダー。それは多分、普段接する独身女子が私だけだったからですよ。だから――――――」

「そうだとしても、だ!」

 バン!とリーダーが机を手で叩いて私の体はびくっと跳ねる。

「それでも、好きだって気持ちに嘘なんてねーだろ?」

 その言葉に私は反省した。私だって人を好きになり、思いつめた経験があるのに、って。


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