バウンス・ベイビー!


 そして1月の14日、私は今日ようやく休みが取れたのだ!昨日から順番で社員も休めるようになり、今日は私の番。年が明けてからぶっ通しで仕事をしていたのと、それでも時間がある夜は平野と会ったりしていたので、小説サイトで書いている作品はやっぱり止まったままだったのだ。

 それで昨日の夜、ようやく明日は休みだ、と思ってサイトにいき、ハタと止まった。あまりに時間が空きすぎて、流れを思い出せないのだ。それでとにかく読みなおすことにして、今朝の10時、準備の整った私はまだ部屋の中をうろうろしているってわけ。

「何か・・・イベントイベント。これで終わりじゃなくて、もう一個何か・・・」

 ブツブツと独り言は続く。

 自分が憧れていた他部署の格好いい上司との恋という、ベスト・オブ・王道のお話。それに私らしいエッセンスを足していかなきゃならない。もう一つ何か、二人を試すようなものを。

 ううーん・・・。自然でいて、必要に思えること・・・何か。

 丁度目についた壁のカレンダーを眺めていて、私はふ、と思いついた。

「そうだー!」

 アイディアの降臨だ!早速パソコンへと向かい、キーボードをマシンガンのように打ち始めた。

 平野が付き合う宣言をしてからというもの、彼は私の作品に意見を言わなくなった。もしかしたら読んでないのかも。だって書いている私がこれだけ忙しいのだから、ヤツだって忙しいはずだ。それにそもそもずっと更新はストップしていたし、時間があるときは、仕事帰りに平野はここへとやってくるのだ。


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