バウンス・ベイビー!
あ、そうだ!と向こうで仁美が叫び声を上げた。
『ちょっと千明~!聞いたわよ!相沢さんと、結局恋愛にはならなかったって。お互いにそんなタイミングじゃないってことになったって、言ってたけど!?本当なの?何か問題があったんじゃなくて?』
・・・ああー!私は膝をぽんと叩いた。そうか、それすらまだ言ってなかったのか!
「そうそう、そうなのよ。遊園地でさ、いいお友達になっちゃって。相沢さんはまだ元カノを好きだって判明したのよ」
『ええ~!?』
「それで、私も急だったし、別にそんなつもりはないんで、って話になって。相談し合って仲の良いオトモダチにはなったのよ」
『だ~れが友達増やすために男を紹介してるのよ~。もう、本当に千明はそれで良かったの?』
心配してくれてることは判っている。だから私はうんと言えた。大丈夫だった。相沢さんとは楽しい時間を過ごせて、満足したのだから。
「いいのよ。・・・それに、実はね、平野とね」
『え、何?平野?誰よそれ』
「ほら、私が恋愛から遠ざかる原因を作った男」
『ああ~、高校生の時に好きだった人ね。今おなじ職場だっけ?うんうん、それで?』
仁美の頭が高速で回転する音が聞こえるようだった。やっぱりあれだけ飲んでいたのに、彼女は話を全部聞いて、しかも覚えているらしい!凄いな、ほんと。
「付き合うことになったのよ。それで・・・もう、付き合ってるの」
『―――――は~い~っ!??』
少しの間をおいて、仁美の絶叫が聞こえてきた。