バウンス・ベイビー!
それによると、私が平野と仲良くなった間に、相沢さんも元カノにアタックしたってことが判ったのだ。しかも成功していたって!!
「おお~!!やったやった、相沢さん、やったああああ~!!」
私がそう叫んだ声は、仁美が持つ携帯電話からタカシさんが持つ携帯電話を超えて相沢さんの耳にちゃんと届いたらしい(驚きだ)。相沢さんが有難うって言ってるよ~って仁美が教えてくれた。
凄い!素晴らしい!頑張ったね相沢さん!私は彼のためにそう喜んだ。
別れてしまうことになったけれど、やっぱり好きだとわかった相手と再び付き合える。それは確かに大変なことだったに違いないって思うから。歩み寄って、しかも相手がそれを受け入れてくれないといけないのだから。
『なんだかなーと正直思うけど、まああなた達が幸せでいてくれたらそれでいいわ』
最後には仁美もそう言って笑っていた。
相沢さんは私の話も知りたがり、仁美とタカシさんで通訳のようなことをしていたけれど、しまいには怒られてしまった。あたし達はあんたらの伝書鳩じゃないのよ!って。でもいいや、彼が幸せだってわかったから。そう思って私も笑う
それはそれは、幸せな夜だった。
相沢さんの電話をきってタカシさんが別の部屋へ行ったあと、私は仁美とじっくりと話す。
『ちょお~っと謎めいているわよねえ、そのカレシ』
仁美がそういうのに、私はビールの缶を開けながらそう?と聞いた。