バウンス・ベイビー!


「今日法事で、この先の店で会食だったの。懐かしかったから寄って見ただけだよ」

「ああー、それでそんな真っ黒な格好なのか」

 吉田君は相変わらず明るくてくるくるとよく変わる表情で、人懐っこい笑顔をみせていた。

「ここから見る学校は変わらないんだね。一瞬また明日から登校しなきゃいけない気分になった」

 私がそう言うと、わかる、と頷く。

「先生方はかなり換わってるけどな。そういえば藤って、一度も同窓会来てないよな?何回かやったんだけど。もしかして案内いってなかった?」

 あ、きてたけど。私はそう呟いて、肩をすくめる。

「ごめんね、いつもタイミングがあわなくて。でも今度はいけるようにするよ」

 だってもう平野を避ける必要はなくなったんだから、そう思って返事をすると、うーん、と暫く悩んでから、吉田君は言った。

「最近はやらないんだよなー。遠くへ就職したヤツも多くてさ。皆そっちで彼氏彼女を作ってあまり帰ってこないし。いつも同じメンバーになるから・・・そうだ、藤って今晩暇?」

「え、今晩?」

 急なことに私は目を丸くする。吉田君はニコニコと笑いながら言った。

「そう。集まれるやつだけ集まらないか?俺声かけてみるからさ」

「今晩は―――――」

 親が、楽しみにしてるけど・・・。ちょっと心の中でそう思ったけれど、高校の時の人達と飲めるチャンスはそうそうやってこない、そう思いなおして、私は頷いた。

「うん、いいね」

 って。

 吉田君は、おおー!と歓声をあげ、ならアドレスと番号教えてと自分のスマホをポケットから出した。


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