バウンス・ベイビー!


「よーし、休憩しましょうか。お疲れ様ですー」

 リーダーがそういって、やれやれと皆が手をとめた。私もほっと息をついて、食材にラップを被せて手を洗いにいく。

 お昼・・・どうしようかな。ここには社員食堂なんてものはないから、外に食べにいったり事務所でお弁当を食べたりでいろいろだ。間違っても平野とは顔を合わせたくないし、やっぱり今日は外にいくか。

 給料前で実際のところ、財布の中身は乏しかった。本当はスーパーで何か安く買って事務所で食べようと思っていたのだけれど、ここは涙を飲んで外食にしよう。そう決めてからエプロンと帽子を外して棚におく。鞄をとって外へと出ようとしたところで、藤ー、とリーダーが呼ぶのが耳に入ってしまった。

 ・・・何で今なのよ。

 私はいやいやながら振り返る。

「何だその可愛くない顔は。この子は初めてなんだから、お前が色々教えてやれよ。昼、どうする?何かもってきてるのか?」

 最後の質問はぼーっと突っ立つ平野に対してだ。奴は簡単に首を振って否定する。

「だって。お前も外で食うんだろ?一緒に連れて行ってやれよ」

 何だってー!!

 私は必死の形相で首を振った。

「いいいいいい嫌です!ごめんです!お断りしますー!!」

「・・・何だよお前、失礼だろ」

 あっけにとられたリーダーがぽかんとした顔をした。それから隣に立つ平野を振り返る。

「お前ら何かあったの?これってただの久しぶりの同級生に会ったって態度じゃねーよな?」


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