バウンス・ベイビー!
「え、熱っぽいの、大丈夫?私もやめて、そっち行こうか?正月のお礼に今度は私が平野を看病して――――――」
『や、大丈夫。寝てりゃ治るだろ。時間だから切るよ、そっちは楽しんで』
「え、あ、うん――――――」
まだ言葉途中で電話は切れてしまった。
私は立ち止まって手の中のスマホを見る。・・・どうしたんだろ、平野。飲み会がそんなに嫌だったのかな?でも前、高校の同窓会とかないのかなって言ってたのはヤツの方なんだけど。あれ?
何が何だかよくわからない。だけど特別用事があるというわけではないらしい。だから、ただ単に―――――――飲み会いくのが、嫌だったんだろう・・・ね。それとも私と一緒にいくのが嫌だとか?
自分で考えて、どーんと凹んだ。
「うわあ~・・・」
嫌なのかも。高校生の時の同級生との飲み会に、私といくの。だって私が平野を追っかけしていたことは全員が知っていたはずなのだ。そこに二人でいくとなると、そりゃあからかいも入るだろう。それが嫌だとか?ううう・・・そりゃ私だってそこを突っ込まれると辛いんだけど・・・。
どんどん落ち込んで、私はとぼとぼと実家へと帰る。折角盛り上がった気持ちが一気にさめてしまって、その反動でご飯は要らないと伝えた両親にぶーぶー文句を言われたことすら聞こえてこなかった。
悲しい気持ちで着替える。それから部屋へ帰る荷物を整えていたら、噂の吉田君からメールが入った。
『4人来れるって。藤さんいれて6人、駅前で待ち合わせで。時間は6時で宜しく!』
私はとにかくメールを打つ。はーいと返事をして、それから頭を振った。