バウンス・ベイビー!
一人で揺られる電車の中、今日入って来た情報を整理するのが大変だった。
あのころは平野が、大変だった・・・?何があったんだろ。それにやっぱり判らない。だってあんな厳しい断られ方したんだもん。違う大学でだって付き合ってる人達はたくさんいるのに・・・。むしろ知らない人ばかりになる大学では、付き合いやすいんじゃないのかなあ?
温められた電車の中で、私は酔って熱くなった頬を手で挟む。体はむやみに熱かったけれど、頭は冷え冷えと冴えきっていた。
仁美の声が蘇る。『どうして聞かないの?』って。私は自分に関係ないし、と答えたのだった。だけど、本当にそうなのかな?気にしないって思ってたけれど、今はこんなに気にしてる。
・・・平野が、わからない。
あとはやたらと静かな心のままで、部屋に帰った。
無言で荷物を片付けて、親に帰宅の電話だけを入れる。それから化粧を落としてベッドに潜り込んだ。皆の笑い声の余韻を鞄やコートの隅に残したままで、眠りにつく。
一人で小さく丸まって。