バウンス・ベイビー!


 私は照れながらお礼を言う。やっぱり読んでくれてたんだ。嬉しかった。忙しいパート主婦なのに、一体いつ時間を作ってるんだろう。

 食べているうどんの味が、いきなり美味しくなった気がした。

「素敵だったわよ、あの終わり方も!感動しちゃった」

「本当ですか?良かったです~。深夜に書いて終わらせたから、変なテンションだったらどうしようかと思ってました」

「大丈夫、隼人君は格好よかったし、美春ちゃんには感情移入しちゃって、私朝から大変だったの~。でも幸せになってくれて良かったわ、本当に」

 ああ嬉しい。作品を一つ書き終わるごとに、読んでくれた人からの感想は次を書く勇気になるのだ。私は照れてまだ熱いうどんの汁を飲み、舌を火傷をするところだった。・・・危ない危ない。

「あの題名はそういう意味だったのね~!そんなこと最初から考えて書くの?」

「あ、今回は途中で思いつきました。題名は適当につけていたから、思いついてからあわせるのに必死で」

「そうなのね!でもちゃあんと中身をあらわせてる題名だと思ったわよ!」

「良かったです~!」

 完結してから浜口さんにも会えてなかったので、今日感想を聞けてよかった。私は嬉しく弾んだ気持ちでそう思った。お陰で、平野のことを頭からはじき出していられたし。


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