バウンス・ベイビー!
レンタカー屋さんは近かったらしい。彼はすぐに戻って来て、窓際で待つ私の前にドンと座った。
「何が好きか判らないから・・・これでよかった?」
私が平野にと買ってテーブルに並べたものを見て、平野は嬉しそうな顔をした。
「大丈夫、俺が好きなものばかり。頂きます!」
「ふふ、私も、頂きます」
今日仕事が終わって作業場を出た時には、あんなに寂しかったのが嘘みたいだった。
あれから起こったことはあまりにも重要なことで、これからもずっと考えて、思い出していくべきものなのだ。平野の謎が解けた。私は困惑したり少し泣いたせいで頭も重く、色んなことを考えて疲れていた。
だけどとにかく、今の私は平野と一緒にいる。
温かい店の中で向かい合って座って、出来立てのご飯を食べている。
私は紙コップを平野のそれに優しくあてる。
「バイト、お疲れ様でした。契約期間、無事に終了だね」
目を細めて平野が笑った。
「まさか、だったな。藤がいるとは思わなかった。だけど―――――――神様に感謝したんだ。また会わせてくれて、ありがとうございます、って」
わお。私は驚いて、眼を丸くする。だって私は神様を恨んだのだから。何でこいつをここに寄越した!?って。
・・・何か、すみません。居心地悪そうにお尻をもぞもぞと動かす私をみて、平野はニヤリと口角を上げる。
「・・・今度は、逃さずに済むからって」
「へ?」