バウンス・ベイビー!
「ちょっとリーダー!彼女さんですか?!そうなんですか!?紹介してくださいよ!!」
私がそう聞いてリーダーの肩をバシンと叩き、前園さんは興奮して両手で拍手する。
「良かった~!いつまでも残念な独身なのは態度や口が悪いからだって思ってたけど、高峰リーダー、いらっしゃるんじゃないですか~!こんな綺麗な彼女が~!」
リーダーが唸りながらしかめっ面で呟く。
「・・・前園さん、本心が駄々漏れですよ」
「ね、ここじゃなんだから、とりあえず入りませんか?ほら、リーダーぼうっとしてないでお茶淹れなきゃ!」
「どうぞ~!遠慮せずに~。というか、一緒に食べたらいかがですか?」
3人がぎゃあぎゃあ騒いでいると、怒髪天きたらしいリーダーが絶叫した。
「うーるーせえええええええーっ!!」
ピタ、っとその場が静まる。
私も含め、皆がぽかんとした顔でリーダーを見上げていると、その真ん中で、彼女がくすりと笑った。
「そんな大声あげなくても。私が急に来たから、皆さんびっくりしてらっしゃるだけでしょ?」
ぱっとリーダーの顔が赤くなった。
おお~!超珍しい光景・・・。この人、照れてるよ!私達はマジマジとリーダーの赤面を観察し、とにかくと彼女を事務所へ招待する。だけど岸田と名乗った彼女は、にっこりと可愛く微笑んで、辞退した。
「いえ、届けにきただけですから。お仕事中、お邪魔しました」
そういってあっさりと帰ってしまった。それを呆然と見送ったあと、ハッとした私がリーダーに向き直ると、赤面した上司は額に手をやっていた。