バウンス・ベイビー!


「ちょっとちょっと、リーダー、本当に誰なんですか!?まさかお姉さんや妹ってオチじゃないですよね!?」

 興奮してそう聞く前園さんに、高峰リーダーは、ああ~とかうう~とかブツブツ言っていたけれど、その内観念したかのように頭を垂れて呟いた。

「・・・・・・・・彼女です」

 おおおー!!と歓声が上がる。思わず拍手までしてしまった私とパートさんだ。リーダーったら!一体いつの間にあんな素敵な彼女を!?

 だけど、彼女の素性がわかったところでパートさん達は満足してしまったらしい。うふふ~と笑いながらお弁当を食べに戻ってしまう。どうせなら、もうちょっと突っ込んで色々聞き出してくれたらいいのに!

 残された私とリーダーは、ちょっとした間をあけて、顔を見合わせた。

「・・・リーダー、いつの間に?」

「・・・うー・・・」

 私が見上げるとパッと目を反らしたけれど、仕方ねえな、と呟きが聞こえて、弁当袋を持ったままのリーダーが入口のドアに背を預けながら言った。

「・・・俺、藤に振られただろ」

「え!?振ってませんよ、私!」

 声が大きい!ってパシンと頭を叩かれた。・・・酷い。パワハラだ。

 リーダーはメガネの奥の切れ長の瞳でぎろりと私を睨んでから言う。

「振ったも同然だろ。目の前で他の男と付き合いだしたなら」

 ・・・いやいや。そこ、突っ込みたいです。

「でもそもそも、私はリーダーに食事に誘われただけですからねえ?」


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