バウンス・ベイビー!
覚えてますか?と嫌味もひっつける。そうなのだ。この人は自分の気持ちを言いはしたが、それから何かの行動に出たわけではない。その内に私が平野と付き合いだしてしまっただけで、振ったわけでは―――――――――
まあともかく!とリーダーが咳払いをしてから言う。
「俺は傷心で、しばらく機嫌が悪かったんだよ。それがこの前、帰り道に喧嘩している男女がいた。男が女を殴ろうとしたから、機嫌の悪かった俺はこれはいいストレス発散だ、と思って・・・」
「え!?割り込んだんですか!?そこに!?」
そりゃあすごいよ!口だけではなくて、実は度胸もあって喧嘩も強かったのか、リーダー!偉そうなのには理由があったんだなあ!
私がつい叫ぶと、またうるさい、と頭を叩かれる。ううー、酷い~!
「・・・まあ、結果的に女の子を助ける形になって・・・。それからまあ、色々あって、だな」
「それがあの人で、今は恋人になった?」
「うー・・・まあ、そうだな」
へえええ~!!私は目を見開いて、上司を見上げる。そんなことしてたんだ、リーダーったら?!喧嘩の仲裁して美人の女の子を手に入れるなんて・・・そりゃあ・・・。
「棚ぼたですねえ~」
「嫌な言い方だな、そりゃ」
「いえいえ、ヒーローじゃないですか!真面目に」
苦虫を噛み潰したような顔のリーダー。だけど、私はそこに照れも見つけていたのだ。ちゃあんと。この人は、喜んでいるんだって。手にしっかりと持ったお弁当袋が可愛かった。
うくくく・・・と私が笑う。