バウンス・ベイビー!


「何だよ、藤」

 ぶすっとそういうリーダーに、私は更に笑い声を上げる。

「リーダーってば、ずっと性格が横暴で口の悪過ぎる隠れイケメンのメガネ男だと思ってましたけど、いいところもあるんですねえ!!」

「ああ!?んだと、コラ!上司に向かってお前っ!」

「あはははは、怒っても可愛いですよー」

「ふ~じ~っ!うるさい!黙れー!」

 あはははは、と私はずっと笑っていた。嬉しかったのだ。真面目で不器用で口の悪い上司が、幸せそうだったから。私とは微妙な感じになってしまって、一時は気にしていた。彼は上司としての態度を崩さなかったけれど、それは努力してくれてるからだと判っていた。だから嬉しかった。高峰リーダーに、素敵な彼女が出来たってことが。

「良かったですね、お幸せに」

 私はそう言うと、入口から差し込む光に眩しそうな顔をして、リーダーが頷いた。

「・・・お前もな、藤。多少ムカつくが、平野と仲良くしろ」

「はーい」

 お弁当袋を大事そうに持ったリーダーは、可愛かった。



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