バウンス・ベイビー!
早足に会社を出てそのまま駅前の銀行へと飛び込んだ。
大して多くはないけれど、現金を封筒にいれてそのまま持っているのは危ない。封筒から出した全額を一度全て入金し、必要な分は改めておろした。そのままで必要な支払いも済ませ、私は気分よくまた電車へとすすむ。
あとは最寄の銭湯にいってゆっくりととろけ、全身を洗ってすっきりとし、それから部屋でビールを飲もうっと。
幸せな計画を思い描いて、私は笑顔だった。
着信に気がついたのは、お風呂から上がって着替えを済ませた時だった。
まだ髪は縛ったままで拭いておらず、滴が滴り落ちるのをタオルで押さえながらスマホの光に気がついたのだ。
操作すると画面に出たのは「高峰リーダー」の文字。正直に、げ、と思った。
ありゃー・・・何か用事ですか、リーダー?もうやめてよ~、だから私は休日なんだってば・・・。
だけど裸の女性もそこらへんにいる寛ぐべき銭湯の脱衣所で、男性上司に電話するのは気が引けた。だから手早く髪を拭いて、一度櫛を通して水気を切ってからまた頭の上でまとめる。
ぱぱっと荷物をまとめて忘れ物がないかを確認し、急いで銭湯を出てリーダーに電話をかける。
『おー、藤かー?』
高峰リーダーの間延びした声。私はすっかり暗くなってしまった午後5時半の道をアパートへと歩きながら、口を尖らせた。
「そうですー。すみません、バタバタしてまして、電話に気がつきませんでした。どうしました?」
『お前まだ用事が終わってねーのに帰ってしまったからさ。明細だよ明細!何で持ってかえらねーんだよ、これ』
「あ」