バウンス・ベイビー!
「いいわよー任せといて!私はうまいんだから、飲み会の幹事は!」
そうだろうって皆思ってましたけど。そう心の中で呟いたのは、きっと私だけではないはずだ。何となく皆でパチパチと拍手をして、北浦さんに感謝の念を表す。
「今日は平野がいないけど、とりあえずやる気向上のためにも日も決めとくか?俺が平野にはあとで伝えるから」
・・・そうか、期間バイトなのにヤツも来るのか。私は若干ガッカリした。
「そうしましょう!さっさと店をとらないと!」
北浦さんのその一言で、リーダーはやりかけの串を放り出して手を洗いにいく。それからシフト表をもってきて、全員の真ん中でうんうん唸りだした。
「当たり前だけど全員休める日は正月の1日だけだから、来月中で普段の業務が終わってからにするか。7時半からスタートで。なら・・・ここか、ここだな」
リーダーが指した日付を皆おのおの確認して、こっちがいいとかあっちは無理ですとか言い合う。
だけど割合すんなり決まった。何せ、このメンバーでの飲み会は初めてなのだ。しかも本社が金を出してくれるとくれば、これはもう盛り上がらないわけがない。
そんなことで、高峰チームの初忘年会の日は速やかに決定し、幹事となった北浦さんは任せといてともう一度大声を上げる。一気にテンションが上がって、さっきまでは終わりの見えなかった生肉のかたまりも、あらこれだけじゃな~い、などと思えるようになったのだから、やる気は大事だ。
私はつい胸の前で手をあわせて祈る。