バウンス・ベイビー!
「それで、やっと告白しようって決めたんです。センターの結果が良かったら、同じ大学にいけるかもしれないって判ったら、告白しようって」
「・・・したんだ、結局?」
田内さんがそう聞いた。
私は首を振る。
「それが、その時は出来なかったんです。センターの結果は悪くはなかったけれど、思ったほど良くもなくて。それで・・・よく考えたら一般入試の前だし、今そんな話しても迷惑かもしれないって思って」
というか、実際は友達にストップをかけられたのだ。ちょっと待って、ちー!って。今はさ、やめといた方がいいと思う。だって皆殺気立ってるよ?ちーだって余裕綽綽ってわけじゃあないんでしょ?って。
私は遅まきながら、そうよねと納得したのだ。同じ大学にいけることが決まってからにしようって。確かに皆殺気立ってる。既に進学を決めたクラスメイトと入試を控えた生徒の間には恐ろしく固い見えない壁が立ち塞がっていたし、受験生に刺激を与えないようにと合格組は学校に来なくてもいいって言われていた時なのだ。
私はちらっと壁の時計に目をやる。もう15分で始業だ。そろそろパートさん達が来てしまう。
「でも結局私、同じ大学には受かれなかったんです。平野は合格しました。そして、私は落ちた。だから、その結果が出た時に悩んだんですけど・・・でもナシにしたくなくて。私の3年間を。だから伝えました」
2月で、雪がチラチラ降っていた。