【短】大型犬系暴君
わざと左京の期待に応えない様なセリフをポソッと返すと、左京のマユゲがあからさまに悲しそうに下がった。


まるで戯れに参った主人が離れ、ポツンと1人……じゃなかった1匹残されてさみしがっている犬の様。


「フッ……」


おかしくて少し笑いが漏れてしまったけど、左京は気づかなかったみたいだった。


バカだなぁ、左京は。


私みたいな人間が、好きでも何でもない男の子とつき合うワケないじゃない。


どこまでも犬っぽくて、私の事を愛してくれるこの人が、私も愛しい。


「ウソだよ。私も好きだよ……左京」


「………っ!」
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