幸と不幸と浅葱色~儚く散る桜の様な命なら~
それにしてもこの餓鬼何者なんだよ。
俺のことを知っていて、それでいて俺を恐れない。
ある程度の礼儀はあるし、年上に敬語を遣わないのはどうかと思うが、この年齢の餓鬼にしてはましな方だ。
それなりの家柄に生まれたことは間違いない。姓を捨てたというのが気になるが。
それが本当なら何の情報も得られない可能性が高いが、調べる価値はありそうだな。
女を抱きかかえると、俺は自室に移動した。