幸と不幸と浅葱色~儚く散る桜の様な命なら~
同じところを行ったり来たりしながらいかにもそれらしい門の屋敷を見つけた。
でも私があの人の頼みを聞いてここで暮らす必要なんてある?
そんなことしたところで私が幸せになれる保証はあるの?
新選組は間者を気にして私の言葉なんて信用しない。
だったら拷問を受けることになる。
そうなればまた同じ苦しみを味わうだけじゃない。
でも死ねるかも。殺してくれるかもしれない。
それなら長州の間者と偽れば……でも長州の間者が自分から私は長州の間者ですなんて言うのかしら。