幸と不幸と浅葱色~儚く散る桜の様な命なら~
幸side……。
闇の中数人の影が屯所内で話をしていた。
?「もっと怪しまれる思てたけど、案外ちょろいんやね。長州の間者が紛れ込んどると疑ってすらおれへん」
女はクスリと笑った。その周りにいる男たちのつられて声を出さず笑っている。
その姿をただ見つめることしかできない。
ここに私以外に一人しかいない女。その女が長州の間者だったんだから。
知らせなきゃ。
立ち去ろうとした時、声を掛けられた。