幸と不幸と浅葱色~儚く散る桜の様な命なら~
嬉しそうに言っているこの女は全部知っている。
知っててわざと言っている。そんなこと同じ女の私が気付かない訳なかった。
幸「あんたがやってるんでしょ。それを無関係みたいな面して楽しんで、つくづく性格悪い女ね」
春「そないなこと幸はんに言われたないけど、確かにうちらがやったことや。だってうちあんたのこと大嫌いやもん。もっと泣いてくれなおもろないやん」
人をおちょくってるんだな。でも私は泣かない。
どんなに苦しくても悲しくても信用している人に裏切られてもきっと私の乾ききった心に雨は降らない。