幸と不幸と浅葱色~儚く散る桜の様な命なら~
斎「聞こえているか」
扉越しだから聞こえないかもしれない。案の定返事はない。
斎「俺は新選組が大事だ。お前のその一員だから大切なんだ。だから何でもいい。少しでいいから話を聞かせてくれ」
幸「裏切者だそうですよ」
小さく弱々しい声が聞こえた。
副長はそう簡単に吐かないだろうと食事を与えていないらしい。
不安になる。この扉の向こうにいる弱った少女の姿を思い俯いた。