ツンデレ彼女がデレる瞬間。
「とりあえず、教えて」
「俺も名前知らないんだけど」
「……使えな」
俺がボソッとそう呟くと、谷口は「なんだと!!」なんて言って椅子から立ち上がる。
「クラスは9組」
「ふーん」
俺は、谷口に返事とも言えない返事をして教室を出ていく。
「羽琉、もう澪ちゃん離すなよ」
谷口は、手をメガホンのようにして大声でそう言う。
そんな恥ずかしいことをここで言うなと思うけど、俺は谷口にまた適当な返事をして歩き出した。
そんなん、言われなくてもわかってる。
澪を幸せにすることができるのは俺だけだって。