本を片手にあなたと恋を
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「誰かいる? 特に、金曜日の当番は今佐々木さん一人に任せちゃってるから。」
あらためて、皆に訊いた委員長に多くの委員は目を逸らした。
放課後の一時間の当番は完全に有志なので、なかなか皆やりたがらないのだ。
拓海は、美桜が出ていったドアをちらりと見ると手を挙げた。
「俺、どっちもやります。」
「あ、本当に? 」
驚いた様子の委員長が拓海を見る。
「えっと、一組の?」
「鈴木です。」
「あ、もしかして前回休んでた?」
拓海が頷くと、委員長はなるほどと呟く。
「他にやりたい人はいない?」
もう一度みんなの顔を見つめるけれど、やはりシーンと静まり返る。
「じゃあ、鈴木くん。詳しくは、あとで説明するからまずは自分の名前とクラスホワイトボードに書いてくれる?」
もう一度、拓海を見て言った。
思いの外、あっさりと決まっりほっと一息をついてホワイトボードに向かう拓海を見つめた。