本を片手にあなたと恋を

☆☆☆

「誰かいる? 特に、金曜日の当番は今佐々木さん一人に任せちゃってるから。」


あらためて、皆に訊いた委員長に多くの委員は目を逸らした。


放課後の一時間の当番は完全に有志なので、なかなか皆やりたがらないのだ。



拓海は、美桜が出ていったドアをちらりと見ると手を挙げた。



「俺、どっちもやります。」


「あ、本当に? 」

驚いた様子の委員長が拓海を見る。

「えっと、一組の?」

「鈴木です。」


「あ、もしかして前回休んでた?」


拓海が頷くと、委員長はなるほどと呟く。


「他にやりたい人はいない?」


もう一度みんなの顔を見つめるけれど、やはりシーンと静まり返る。


「じゃあ、鈴木くん。詳しくは、あとで説明するからまずは自分の名前とクラスホワイトボードに書いてくれる?」

もう一度、拓海を見て言った。

思いの外、あっさりと決まっりほっと一息をついてホワイトボードに向かう拓海を見つめた。

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