本を片手にあなたと恋を


「小、中、高て学校が一緒の腐れ縁ってやつ。」



と答えた真央に、和樹が付け足す。



「ひどいな、真央は。幼馴染みってやつなんだよ、俺と真央と拓海で。」




「え、鈴木くんも?」



驚いた美桜が真央を見ると、真央も頷いた。



「親同士が仲良いの。」



意外な事実に、少し驚く美桜だがどこか納得が行くところがあった。



真央はサバサバしてて、男子とも普通に仲がいい。小さい頃から、鈴木くんとか宮藤くんと仲良くしてたからなのだろう。



何より、二人の話す間合いからも長年の付き合いが伝わってくる。



でも、どうして昨日鈴木くんと幼馴染みだって言ってくれなかったんだろう…。




「でも、真央はまだ佐々木さんに言ってなかったのな。ちょっと意外。」



そう言った宮藤くんに真央の表情が一瞬だけ曇ったような気がしてすぐに笑顔になる。



「確かに、そうだね。なんか、もう美桜は知ってるような気がしてたかも。」



「知らなかったから、驚いたよー。」



そう言って、唇を尖らしてみせる。



「なぁ…」


黙って聞いていた宮藤くんがなにかを言おうとしたとき、カウンターに人が並び始め、真央はしっしという手振りで宮藤くんを黙らせた。



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