本を片手にあなたと恋を
図書室の鍵を閉めながら、美桜は側で待っている真央に話しかける。
「ねーね、私の話ばっかだったけどさ。真央はどーなの?」
「うっ」
と、あからさまにたじろぐ真央。
「宮藤くんともいい感じでしたけど?」
「え? 和樹? ないないない!!」
「そんな、全力否定しなくても。」
不満気な美桜に真央は、
「そんなことより、昼休み終わるよ!
放課後ゆっくり話そうか。今日は部活ない日だし。」
と言うなり、じゃあ鍵返しておくよと言って美桜の手から鍵をとると走っていってしまった。
さすが陸部、速すぎ。
追いかけるのを諦めた美桜はゆっくり教室に向かって歩きだした。