本を片手にあなたと恋を

☆☆☆☆☆☆


「私たちも帰る?」


美桜と拓海が歩いていくのを見守っていた真央の言葉に和樹は首を振る。



「今帰ったら、追い付いちゃうかもよ。あの二人、歩くのゆっくりみたいだし。」


「うーん、確かに。どうする?どっか寄り道する?」


「いや、遠回りして帰ろうよ。」


和樹は言うなり歩きだす。


「そーだね、ケーキ食べたし。ウォーキングしよう、ウォーキング。」


と真央も歩きだした。


『遠回り』と言うことで、川沿いを歩いていく。




今日は口数が少ない、

真央は和樹の様子を伺う。




今日は、二人きりになりたくなかった。





「あのさ、真央。」


丁度、そう思ったとき和樹が口を開いた。




「真央、まだ拓海のこと好きだろ?」



だから、嫌だったのに。こいつと話すの。

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