本を片手にあなたと恋を
そもそものきっかけは一冊の本だった。
美桜は、図書委員だ。
毎週火曜日は図書室の当番の日。
5月のはじめ、返却の作業をしていると一冊の本が目に留まった。
数えきれないほど読み返したであろう、お気に入りの本だ。
バーコードを読み込み、出てきた画面をみる。
1年1組 鈴木 拓海
同じ1年だけど知らない名前。
この人も、この作家さんが好きだったりするのかな…。
次の本を手に取りながら、少しだけ胸が踊るのを感じた。