本を片手にあなたと恋を
「あれ、鈴木くんってサッカー部だよね?もしかして、今日練習ある?」
「いや。火、金はない。」
「あ、そうなんだ。良かった。」
「佐々木はかるた部、何曜日?」
「木曜だけなの。基本、放課後は常に本読んでる。」
「あぁ。よく図書室で見る、本借りてるの。週に何冊ぐらい読んでんの?」
見られているのか。
うわ、ちょっと恥ずかしい。自分が見てるだけだと思ってた。
軽く衝撃を受けつつ、土日に2冊で、平日にも2、3冊のペースだからと頭の中で足し算。
「たいてい4、5冊かなー。」
「やっぱり多いな。」
「そう、かな。でも、鈴木くんもよく本借りてるじゃん。」
「いや、俺は週に2冊ずつだから。」
少し、意外で目を見開く。
「そうなんだ。十分多いけど、思ってたほど少ないかも。私が図書室に行くときには毎回居るような気がしてたから。」