本を片手にあなたと恋を
「そういえば、この続編ってさ続きまだ出るのかな?」
美桜はずっと、気になってたことを聞いてみた。
「多分出ると思う。何時になるかはわからないけど。新シリーズってあったし。」
「ほんと?気づかなかった 。」
「帯に書いてた。」
「帯とかほとんどみてないや。一気読みして、その余韻に浸りながら何度も読み返してた。」
拓海がクスリと笑う。
「目に浮かぶ。佐々木がうっとりしながら読み返しているところ。」
自分で言ったことが恥ずかしくなってきてぽんと効果音がしそうな勢いで赤面する。
「もう、浮かべなくていいもん。」
真っ赤な顔のまま小さく漏らす。
「ごめんごめん、面白くてつい。佐々木ってからかいたくなる。」
「何で?初めて言われた。」
「何でだろうね。」
優しく笑う拓海に何だかいつも誤魔化されている気がする。