本を片手にあなたと恋を

「でも、俺がちゃんと『付き合って』って言いたかった。」


告白の余韻に浸っていると、拓海がちょっとだけ悔しそうに言う。


「俺が言おうとしてるのわかってて言った?」


「そう、かな?」


「最後まで言わせてよ。」


拓海はそう言うと、カウンターに突っ伏した。


これは、拗ねてる?

かわいいと思ってしまった。


「言いたくなったんだもん。」

美桜は、真っ赤になりながら言った。


「それは、嬉しい。」

そう突っ伏したまま呟いた拓海も負けないぐらい真っ赤だった。




あなたと二人、本を片手に素敵な恋をしていく予感。


まずは、ここから始めようか。

「拓海くん、大好き。」

勢いよく顔をあげた拓海は驚いた顔ですぐに大好きなあたたかい笑顔になった。

「好きだよ、美桜。」

自分の名前を呼ぶあなたの声が心地よく響く。



『 本を片手にあなたと恋を』end.


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