本を片手にあなたと恋を
あれから、一週間ほどたったけれどまだ鈴木くんが図書委員だって信じられないかも。
美桜が、心のなかでそんなことを考えていたときバタバタと足音が聞こえ、図書室のドアが開いた。
駆け込んできた拓海たちを見て真央が驚いた顔をした。
「あれ、何で拓海がいるの、図書委員だっけ?」
そう尋ねた真央に、
「一組の図書委員らしいよ、前回休んでた。」
と答えてから首をかしげる。
「真央って鈴木くんと知り合いなの?」
「うーん、知り合いというかなんというか。というか、美桜こそ何で、たく、鈴木のこと知ってるの?」
美桜が答えようとしたとき、委員長が前に出て
「みんな揃ったようなので委員会を始めまーす!」
と叫んだので、
なにか言いたげな真央に対して
あ、と、で!
と口パクで伝えて記録用のノートを持って前の机に座った。