「僕はずっと前から君を知ってるよ」

部屋に戻ったわたしはアルバムなんてものを出してみた。

もちろん、アルバムにはわたしのお父さんはいない。

お姉さんがすべてお父さんの写っていた写真は切り取り、棄ててしまったのだ。

アルバムと言っても、足りない、失ったもののアルバムなのだ。


「これじゃ、アルバム、思い出の中でもお父さんに会えないじゃん」


ガッカリしたわたしは紅茶を飲みながら、1人不貞腐れた。

そして亡き父が使っていたフランスベッドにダイブしてみる。

はは…。

なんか、泣きそうーーー。
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