「僕はずっと前から君を知ってるよ」
「おまえは愛されてたよ」
ピピピ…っ
ピピピ…っ
バン
朝から七時ピッタリに起こすお節介な時計を手で叩いて止める。
もう朝か…。
わたしはベッドから出て、真っ白な制服を取り出す。
膝まであるミモレ丈の真っ白なスカート。
白のワイシャツ。
真っ白なブレザー。
ブレザーを着る前に髪をとかす。
わたし、昨日お風呂入らないで寝ちゃったんだ…。
「あ、お兄さんとの約束、今日じゃん…」
そしてわたしは黒のタイツを履く。
「莉々葵ー、朝食だぞ」
「はーい」
やっぱりお兄さんが呼んでくれた。
わたしは髪を結う前に下に降りる事にした。
「このパン、美味そうだろ?」
「ほんと、美味しそうですね」
「だろー?」
「早く食べて。遅刻するわよ」
「あ、はい」
お姉さんには言ってないんだ、お兄さん…。
わたしが今日学校行かないこと…。
たぶん、話が話だからだろう。
お父さんの話をするからお姉さんには言わなかったんだ。
わざと、言わなかったんだ。
「さ、食べたら行くか、送ってくぞ。」
「はい」
お姉さんは無言で食事を終わらせ、キッチンで洗い物をし始めるを