「僕はずっと前から君を知ってるよ」

急に車が止まる。

お兄さんがコンビニを見つけたので、車を止めたのだ。


「さ、ココアでいいか?」


「あ、はい」


コンビニに入ると、「いらっしゃいませー」と店員の声がする。


「肉まんもいいよなぁ」


「わたしも…食べたいかも…です…」


「はっははっ、オレにはそんな改まった感じじゃなくていいんだよ、莉々葵」


「…でも」


「オレはおまえを本当の娘だと思ってるよ」


…温かい。

お兄さんはとても温かい人だから、結構救われていた。

お姉さんとはちがうお兄さんがわたしは好きだった。
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